佐藤優
人間主義の思想書『法華経の智慧』(池田大作著)をベースに、世界宗教の条件を考察するシリーズの続刊。第4巻は、法華経の「従地涌出品」「如来寿量品」の考察を収録。「生も歓喜、死も歓喜」の死生観、新型コロナウイルスとの戦いと「十界論」などをテーマに、多様な視点から、世界宗教化への飛躍を期す創価学会の思想に迫る。月刊『第三文明』好評連載の2019年8月号分から、2020年7月号分までを書籍化。
【目次】 まえがき 1 戸田会長「獄中の悟達」の重要な意義 2 生命論の観点から寿量品の意義を解き明かす 3 「生も歓喜、死も歓喜」に込められた思い 4 「久遠の仏」と「永遠の今」 5 宗教者にとっての「使命の自覚」の重要性 6 寿量品の「発迹顕本」を池田思想から捉え直す 7 「人」と「法」の視座から論じる仏法の本質 8 「人間主義」が21世紀の世界に果たす役割 9 〝生命の奥底にある宇宙〟と向き合う 10 刹那主義の荒波に抗する〝思想の防波堤〟 11 新型コロナウイルスとの戦いと「修羅界」 12 コロナ禍が浮き彫りにした「天界」の脆さ 索引 【著者プロフィール】 佐藤優(さとう・まさる) 1960年、東京都生まれ。作家。同志社大学大学院神学研究科修了後、専門職員として外務省に入省。在ロシア日本大使館に勤務し、主任分析官として活躍。著書に『自壊する帝国』(新潮文庫)、『国家の罠』(新潮文庫)、『国家の攻防/興亡』(角川新書)、『国家のエゴ』(朝日新書)、『創価学会と平和主義』(朝日新書)、『佐藤優の「公明党」論』(第三文明社)、『北東アジア市民圏構想』(金惠京との共著/第三文明社)、『この社会の歪みと希望』(雨宮処凛との共著/第三文明社)、『ゼロからわかるキリスト教』(新潮社)、『世界観』(小学館新書)など。第10回安吾賞、『十五の夏』(上下巻/幻冬舎)で第8回梅棹忠夫・山と探検文学賞、第68回菊池寛賞を受賞。