佐藤優
人間主義の思想書『法華経の智慧』(池田大作著)をベースに、世界宗教の条件を考察するシリーズの続刊。第3巻は、法華経の「提婆達多品」から「従地涌出品」までの考察を収録。悪との戦い、折伏と寛容性などをテーマに、多様な視点から創価学会の内在的論理を読み解く。月刊『第三文明』好評連載の2018年8月号分から、2019年7月号分までを書籍化。
【目次】 まえがき 1 「悪と戦い続けてこそ仏」という思想 2 「衆生の救済」こそ、究極の善 3 悪は「善の炎」のための薪となる 4 法華経の「女人成仏」が語りかけるもの 5 竜女の成仏は、高らかな「人権宣言」 6 現代における「不惜身命」とは何か 7 創価学会と「三類の強敵」の戦い 8 「折伏」と「寛容」について考える 9 師弟が共闘してこそ「難即安楽」に 10 「地涌の菩薩」とその使命感 11 「人間への信頼を取り戻せ」という警鐘 12 池田会長の民衆観の根底にあるもの 索引 【著者プロフィール】 佐藤優(さとう・まさる) 1960年、東京都生まれ。作家。同志社大学大学院神学研究科修了後、専門職員として外務省に入省。在ロシア日本大使館に勤務し、主任分析官として活躍。著書に『自壊する帝国』(新潮文庫)、『国家の罠』(新潮文庫)、『国家の攻防/興亡』(角川新書)、『国家のエゴ』(朝日新書)、『創価学会と平和主義』(朝日新書)、『佐藤優の「公明党」論』(第三文明社)、『北東アジア市民圏構想』(金惠京との共著/第三文明社)、『ゼロからわかるキリスト教』(新潮社)、『世界観』(小学館新書)など。第10回安吾賞受賞。『十五の夏』(上下巻/幻冬舎)で第8回梅棹忠夫・山と探検文学賞受賞。第68回菊池寛賞。