読書と思索

田中美知太郎

読書と思索

田中美知太郎

読書という行為のかけがえのなさ、読書が許されていることのありがたさを、あますところなく語った名著(哲学教師・國分功一郎)。

ギリシャ哲学研究の第一人者・田中美知太郎(京都大学名誉教授)が遺した、読書と思索にまつわる箴言の数々が、没後40年を迎え、新装版として復刊。

自己論・読書論・教養論の三部からなる本書は、戦前から戦後にかけて著者が己の人生と知の軌跡を語った、稀有な告白の書である。論考の行間には、時代と真摯に向き合いながら思索を深めた一人の哲学者の人間像が浮かび上がる。重厚な学問の背後に息づく「思索する魂」に触れることのできる一冊。

「一時的の涙や笑いを、書物から受動的に受け取ろうとするのではなくて、自分の全心を能動的にはたらかせて、一見冷やかに、親しみ難く思われるような言葉の奥に、人間のあたたかくて、親切な心を探り出すというのも、また大切な読書のよろこびであることを知ってもらいたいように思う。」――本文より。

この書籍はまだ販売されていません。2025年12月11日発売予定です。

紙の書籍

書籍

在庫あり

定価:1,870円(税込)

体裁:四六判ソフトカバー

ページ数:216ページ

発刊日:2025年12月11日

ISBN:978-4-476-03440-0

紙版書籍の主な購入サイト

電子書籍

電子書籍

参考価格:1,375円(税込)

発売日:2025年12月11日

電子版書籍の主な購入サイト

【目次】Ⅰ
考えることのよろこび
自分の考えを大切にしよう
自己を知る
自己語る


青年時代の読書
読書いろいろ
私の読書遍歴
書物を買う
私の読書法
私の著作
私の好きなよみもの
読書人のゆめ
良書とのめぐりあい
読書メモの切れ端
学習帳


教養について
女性のための教養を問われて
良識とは何か
良識と常識

あとがき
解説



【著者略歴】
田中美知太郎(たなか・みちたろう)
1902~1985。新潟県生まれ。哲学者・西洋古典学者。京都大学哲学科卒業。京都大学教授、日本西洋古典学会委員長、日本文化会議理事長等を歴任。文化勲章。著書に『プラトン』『ギリシア人の智慧』『西洋古代哲学史』『ソクラテス』『ロゴスとイデア』『善と必然との間に』『哲学のために』『思想の遠近』『片隅からの発言』『古典への案内』『ツキュディデスの場合』『学問論』『人生論風に』『正説と逆説』『時代と私』ほか、多数。『田中美知太郎全集』(全26 巻、筑摩書房)がある。