小池高史
創価学会幸福城部(団地部)の研究。 超高齢社会における「中間集団」としての宗教組織の重要性を浮き彫りにした意欲作。 高齢者の孤立の問題と団地コミュニティの研究者が、独居高齢者の支えとなっていた偶然出会った創価学会員の存在をきっかけに、これまで見過ごされてきた彼らの地域貢献の姿を発見し、その活動の実態を丁寧に解説する。 団地の自治会役員を担い地域のために献身する創価学会員の背景には、創価学会の教えと信念に基づく活動があることを、長年の調査と学会員への聞き取りから示す。著者自身が福岡や大阪の団地で創価学会の活動を取材。外部の立場で真摯に分析した研究成果は、学術的価値と実践的意義を兼ね備えている。 団地コミュニティの未来を考える上で読んでおきたい一書であり、自治体のあり方などに悩む人たちへのヒントにもなる。
【目次】 はじめに 1 団地の高齢化問題 2 団地自治会の高齢化 3 創価学会と団地 4 創価学会団地部について 5 学会員であることと地域に貢献すること〈団地部員の地域貢献1〉 6 関西団地部通信から〈団地部員の地域貢献2〉 7 ある団地の現在〈門真団地のケーススタディ1〉 8 団地部の日常〈門真団地のケーススタディ2〉 おわりに 補論これからの団地コミュニティの課題と向き合う 【著者略歴】 小池高史(こいけ・たかし) 1983年生まれ。横浜国立大学大学院環境情報学府修了。博士(学術)。摂南大学現代社会学部准教授。専門は、老年社会学、地域社会学。著書に『「団地族」のいま――高齢化・孤立・自治会』、『何歳まで働くべきか?――高齢期の就業と健康』(共編)、『すぐわかる! ジェロントロジー』(共著)、『ニュータウンのあの頃とこれから―日の里団地1971-2021』(共著)など。